9月に入り曇りの日が多いせいか、日中過ごしやすく感じる日が増えてきました。
とは言え、日が射すとまだまだ残暑がきびしく感じますね(^^;
さて、今回は先日修理したトロンボーンで1つ感じたことを書かせていただこうと思います。
余談のような事かとも思いますがよろしければお付き合いくださいm(__)m
お預かりしたトロンボーンの修理内容は「管内洗浄」で、長年使っていた楽器をここらで1度スッキリしたいとの事でご依頼いただきました。
洗浄自体は無事に終わりましたが、確認でご試奏いただいた際、音階を吹いた際のポイントが少しぼやけているように感じました。
修理に入る前の楽器であればつば抜きコルクの食い込み具合や管内の汚れによる可能性も考えられたのですが、今回は洗浄後で汚れを取りコルクも新しく換えた後でしたのでその可能性は低い…
洗浄したことで修理前よりは息も入りやすく操作できるようでしたがもう一つ欲しいところ…
ではどこが原因だろうと探していたところ、スライドとベル本体をジョイントする部分が長年の使用により通常より深く入っておりました。
早速ジョイント部分の入り具合を調整したところ、無事にポイントもつかみやすくなったようで、音階も以前よりくっきりしました。
スライドのジョイント部分は楽器を組む際に擦れる部分ですので、長年使用していくとどうしても摩耗していきます。
摩耗していくとその分ジョイント部分が奥へと入ることになりますが、摩耗が進むにつれて今回のように管の接合部などによる管内の凹凸の距離感が変わり吹奏感が変化する他、スライドとベル本体との固定がしにくくなる事もあります。
音のポイントの取り具合は人により違いますので、今回と同じ作業で吹奏感の改善ができるとは一概に言えませんが、今回の作業で「楽器の状態」と「吹奏感」のつながりを改めて強く感じました。
使い傷みなどによる変化は奏者の方々には感じにくい事と思いますが、以前に比べて吹き心地に違和感が出てきた際は、今回のような使用による変化に注目してみるのもいいかもしれませんね。
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